超重要!?会議費と接待交際費は違う!正しい知識を身に着けて計上しよう
提携企業やクライアントと交流する機会が多くなると、いわゆる「接待」に使う費用も増えていくものです。法人ではこの接待の費用を経費に含めることができるのですが、よく似た性質をもつ「会議費」と「接待交際費」、どちらで計上するか迷い、間違えるパターンが後を経たないといわれています。
そこで今回は、会議費と接待交際費の違いを知って、正しく計上するためのポイントを解説していきます。
※本記事の内容は2023年3月執筆時点の情報です。内容に間違いがある可能性もあるため、詳細は専門家等に確認のうえご判断ください。
1.「会議費」と「接待交際費」は似て非なるもの
まず、会議費と交際費の定義から確認していきます。
1‐1.会議費とは
会議費は、社内で行われた会議や取引先との打ち合わせを行うために使われる費用のことです。基本的に仕事の時間内に業務として開催された、会議・打ち合わせ・ミーティングなどにかかったお金に関するもの、ということです。
会議費には、会議で使用する会場の使用料はもちろんのこと、会議で使う書類作成費用、会議の際に会社として出したお弁当や飲み物、お菓子などの費用も含まれます。
1‐2.接待交際費とは
交際費は、取引先など外部の事業関係者、つまり仕事の関係がある社外の関係者に対して、接待のために使われる費用のことです。事業を円滑に進めるため、双方が親睦を深める目的で行う食事会や飲み会などが交際費に該当します。
ただし、飲食にかかった費用に関して、金額を参加者の数で割って金額が5,000円以下だった場合には、接待交際費からは除かれるという点がポイントです。この場合、一般的には会議費などの勘定科目で処理されます。
2.会議費には上限があるって本当?
接待交際費は金額によりどのように計上するかが変わる、ということが分かりましたが、では会議費についてはどうなのでしょうか?
原則、会議室を借りるための費用など、飲食にかかる費用以外、会議を行うためにかかった費用に上限はありません。会議室が無ければ会議は開催できませんし、必要に応じて資料を作成しなければ会議がスムーズに進みませんよね。特に貸会議室などを使用する場合、地域や参加人数によってもかなり金額差が出るでしょうから、ここに関しては条件を設けていないということです。
しかし、飲食を伴う会議の場合、その「飲食に使う費用」について上限が発生します。会議1回あたりの金額上限は、常識的な範囲、市販のお弁当など昼食程度の費用と若干曖昧です。その常識的な範囲を超えた場合は会議費とみなされず、接待交際費と判断される可能性もあります。
法人の場合、接待交際費の例外として1人あたり5,000円以下の飲食費用は会議費として処理、というルールがあるため、逆に会議で昼食や飲み物を用意する時は「一人5,000円以内」を目安にすると分かりやすいでしょう。一般的に昼食でそれほど高い金額のものを用意することはあまりないでしょうから、それこそ”常識の範囲”で考えておけば問題はなさそうです。
また基準の5,000円は税込なのか税抜きなのかという点についてですが、これは法人が適用している経理処理によって変わります。法人が消費税を税込で会計処理していれば5,000円も税込金額に、税抜処理をしていれば税抜金額になるということです。
3.これは会議費と接待交際費どっち?5つの事例
それぞれの特徴や特例について、だんだんと理解できてきたでしょうか?最後に具体的な事例を交えて、会議費と接待交際費についてご説明します。
3‐1.取引先との打ち合わせにカフェを利用した
取引先との打ち合わせで、カフェや喫茶店を利用した場合、基本的に飲食代は会議費に当てはまります。場所が変わっただけで、社内同様、会議で昼食や飲み物を提供したという扱いになるのです。
外での打ち合わせにかかった費用を会議費として計上するためには、金額の書かれた領収書以外に、打ち合わせの目的や内容、参加者などを記載した議事録を作成しておく必要があります。きちんとした記録がないと会議を行ったという証明ができないため、接待交際費と判断されることも考えられるので要注意です。
3‐2.外部からお客さんを招いてパーティーを開催した
大きなプロジェクトの成功をお祝いして、会社の創立〇周年を記念して、新しいサービスや商品のお披露目としてなど、大きな会社ではパーティーを開催することもあるでしょう。このような場合にかかった費用は、接待交際費に該当します。
また、タクシーなどの送迎代、プレゼント代も接待交際費に含まれますし、逆に取引先が主催するパーティーへ参加するために費用がかかった場合も、接待交際費として処理するのが一般的です。
3‐3.社内会議で昼食やお茶を提供した
社内での研修会、役員が参加する会議など、長丁場になる場合は昼食や飲み物が提供される場合があります。このパターンではすべて社内の人間のみが参加していますが、飲食物にかかった費用は会議費としての計上が可能です。
ただ先にも出たように、過剰に豪華なお弁当などを用意した場合は、常識の範囲外として経費とは認められない可能性が高くなります。
3‐4.自社に取引先を招いて会議を行った
自社に取引先を招いて会議を行った際、昼食や飲み物を提供する場合、その費用は会議費に該当します。ただし社内会議同様、過剰に豪華なお弁当などを用意してしまうと、経費とは認められない可能性が高いので要注意です。
3‐5.合計5名で食事会を行い、合計金額が3万円だった
取引先と自社の社員合計5名で食事を行い、その合計金額が3万円だったとします。計算すると1人当たりの費用は6,000円です。5,000円を超えるため、会議日ではなく接待交際費として処理しなければいけません。
4.会議費と接待交際費はケースバイケース
会議費と接待交際費には明確な違いがありますが、詳しく見ていくと状況による使い分けが求められることが分かりましたね。慣れない人にとっては結構複雑なので、会議費と接待交際費どちらか見分けがつかない時は、専門家に相談することをおすすめします。
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