会議ラボ
会議とは
2023.01.08

色々な立場の人間が参加する会議。椅子がたくさん並んだ会議室の中で、いったいどこに座ってもらう・座るのが正解なのか悩んだことはありませんか?
席次は、社会人として押さえておくべきマナーのひとつだと言われています。しかし実際には、自社の会議なのか客先での会議なのかでも違いがでますし、自分以外全員上司の場合もあればデスクやイスの配置も様々だったりと、完璧にこなすのはかなり大変です。
そこで今回は一般的な「よくあるパターン」別に、席次のルールを確認していきましょう。

1.席次、上座と下座とは

そもそも席次とは「どこに誰が座るのか」、簡単に言うと席順のことを指します。会議室の場合は、部屋の中のどの位置に誰が座るのか、という意味の言葉です。

一般的に「上座」は上司やプロジェクトのリーダー、社外から来たお客様など、より立場の高い方に座ってもらうよい席のことで、「下座」はその集まりの中で立場が下の人間が座るべき席だと言われています。

客先の会議室に招かれた場合、こちらにどうぞと案内されることが多いかと思いますが、自分の上司を上座に座らせるのがマナーです。先頭で会議室に入ったからといって、うっかり自分が上座に座ってしまわないよう、「席次」の考え方を頭にいれておきましょう。

そんな決まり古い!と思われる方もいるかも知れませんが、まだまだ気にする人が多いのも現実です。

2.上座の基本は「入り口から遠い席」

席次は、机の形や人数、場所など状況により様々なパターンがあります。しかし本当に基本中の基本として覚えておきたい決まりと言えば、上座は「入口から遠い席」、下座は「入口から近い席」の2つのみです。

会議室ではほぼ見かけませんが、昔は入り口から遠い場所に床の間や飾り棚が置かれることが多く、神聖な場所として扱われてきました。これは静かで落ち着く場所であるからだ、と考えられています。実際に会議室に入ってみると、入り口に近い席は、どうしても人の出入りや外の音、人の気配などで落ち着かないというのが感じられるはずです。

入り口から遠い、落ち着ついて座れる場所に目上の方をお通しする。日本人が持つ、ちょっとしたおもてなしの心が席次にも活かされています。もちろん社会人としてのルールを実践することも大切ですが、ただマナーだからそうするのではなく、会議中であっても目上の方に心地よく過ごしてもらいたい、という気持ちで席次について考えてみてください。

3.具体的な席次の決め方

上座と下座の基本的な考え方は分かりましたが、会社という組織の中では「目上の方」が何人も会議に参加することがあるでしょう。さらに来客者を交えて会議が開催されるパターンも考えられます。では、具体的にどうやって席次を決めていけばいいのでしょうか。一般的な会議室を例にしてみていきます。

3‐1.机を挟んで座る対面式の場合

まずは机を挟んで対面で座る、本当によくあるスタイルの会議室についてです。

この形式の会議室では、基本の通り「入り口に一番近い席」が下座となります。4名で会議を行うと想定すると、下座からみて「その隣の席」「下座の向かいの席」「その隣の席」という順番で、立場が下の者から座るようにしましょう。下座と一番離れた席が上座というわけです。

自社から2人、お客様2人の4人で会議室に入った場合は、入り口側に自社の人間、向かいの上座側にお客様が座ることになります。自社のメンバーのみで会議を行う時は、向かいの上座側に上司が座るイメージです。

また、職務上立場が全く同じ場合は、年齢の高いほうが上座、または上座に近い席に座ります。

3‐2.大きめ会議室の定番!机がコの字型の場合

司会者がいるような、大きめの会議室で行われる会議の場合は少し複雑です。

司会者は通常入り口から最も遠い席、全体を見渡せる場所に座ります。参加者全員から見え、声も聞き取りやすいところで進行する必要があるからです。このパターンでは、この司会者が座る席が1番よい席、上座と考えます。司会者以外の席次としては、司会者の両側のうち、入り口から遠い席が1番、反対隣が2番、1番の席の隣が3番、そして以降4、5、6という順番が定番です。

机がコの字型、かつ司会者がいない場合は、司会者が座るであろう席が1番、入り口から遠い席が2番、反対隣が3番…となります。

3‐3.会議質ではなく応接室を使用する場合

小人数の会議や重要なお客様との打合せの場合、ソファのあるような応接室を会議室として使用することもあるでしょう。この場合も、対面式同様、基本的には入り口に遠い席が上座、近い席が下座となります。

4.上座・下座はもう怖くない!

最近ではオシャレな作りの会議室も増え、「自分はいったいどこに座ればいいの?」「お客様をどこにお通しすればいいの?」と迷うことが増えているかも知れません。

席次と聞くと、なんだか堅苦しくて難しいイメージを持つ方もいることでしょう。しかし基本はたったの2つ!上座は「入口から遠い席」、下座は「入口から近い席」という決まりです。まずはこの2つと、なぜ上座は「よい席」と言われるのかを頭に入れておけば、大失敗する可能性はぐっと低くなります。

多様化という考え方が広がる今、席次なんか気にしない!という風潮もあるかも知れませんが、社会人のマナーとしてだけではなく、目上の人を敬う心として覚えておきたいですね。

会議ラボ編集部

会議ラボのメンバーが執筆をしています。
会議の見直しを検討している全ての方へ最新情報やノウハウなどをお届けします。