会議ラボ
会議とは
2024.11.20
議事録の取り方・まとめ方を解説|分かりやすい議事録を取るコツ

議事録はビジネスの現場で欠かせないツールであり、会議の内容や決定事項を正確かつ効率的に共有するために重要な役割を果たします。しかし、特に初めて議事録をまとめる方は、どのように議事録を取りまとめればよいのか分からず、悩んでしまうことも多いでしょう。

この記事では、理想的な議事録の文章や、分かりやすい議事録を取るためのコツ、具体的なまとめ方について詳しく解説します。議事録の例文や、テンプレートに入れておくべき項目も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

1.議事録の理想的な文章とは?

議事録はビジネス文書の一種であり、上司をはじめさまざまな人が目を通すため、誰が読んでも分かりやすいようにまとめることが大切です。理想的な議事録の文章には、以下のような特徴があります。

・必要な情報が適切に共有できている

会議の参加者はもちろん、参加しなかったチームメンバーや関係者との情報共有も議事録の役割の1つです。したがって、決定事項や変更点、次にすべきタスクなど、必要な情報を適切に共有できるよう、要点をまとめて作成する必要があります。また、特に社外の人も交えた会議では、「誰が発言したか」が重要である場面が少なくありません。そのため、発言者が明確に分かる書き方をすることも大切です。

・文章が平易で分かりやすい

必要以上に硬い文章や結論が分からないような書き方だと、議事録の内容が読み手に正確に伝わらない可能性があります。議事録はなるべく平易な文章で書き、要点を項目ごとにまとめるなど、一目で内容が伝わりやすい書き方を心がけるとよいでしょう。

・情報整理がされている

議事録では、会議で得た情報をいかに整理し、まとめるかが重要です。数字などの定量的な情報や重要な点が含まれており、挨拶・雑談といった共有の必要がない発言内容が省かれていることは、理想的な議事録の条件の1つと言えるでしょう。

会議で議事録を上手に作成する方法とは?メモやまとめのコツを解説

2.分かりやすい議事録を取るためのコツ

議事録を担当することに慣れていない方は、過去の議事録の事例を確認し、ルールやフォーマットなどを勉強しておくのがおすすめです。また、分かりやすい議事録を取るためには押さえておくべきコツが3つあります。以下で詳しく解説するので、参考にしてください。

2-1.事前に準備しておく

議事録を作成するためには、会議のスピードに沿ってメモを取る必要があります。会議の進行についていけないと、後からメモを見返した際に、自分でも会議の内容が分からなくなる可能性があるので注意が必要です。議事録を作成する段階になってから困らないためにも、会議の前に以下の情報を把握しておくとよいでしょう。

  • 会議の目的
  • 議事録を作成する目的
  • 日時、場所、参加者、会議タイトルなどの基本事項

また、PCを使う場合は、必要に応じて単語登録をしておくとより効率的に記録できるようになります。

2-2.5W2Hに沿って誰でも意味が分かるように書く

議事録を作成する際には、5W2Hの要素を書き出すことで必要な情報を漏れなく記載しやすくなります。5W2Hとは、以下の英単語の頭文字を取った言葉です。

  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • Who(誰が)
  • What(なにを)
  • Why(なぜ)
  • How(どのように)
  • How Much(いくらで)

5W2Hは情報の整理や伝達において有効な手段であり、議事録以外のビジネス文書でも多く活用されるため、押さえておくとよいでしょう。また、5W2Hの要素で会議前に把握できる内容があれば調べておくのがおすすめです。

2-3.箇条書きを適切に入れる

議事録は要点を整理する工夫をし、誰にでも意味が伝わりやすいように作成する必要があります。1つのテーマに対して複数の結論がある場合や、一文が長くなる場合などには、適宜箇条書きを取り入れるとよいでしょう。内容によっては、箇条書きにすることを前提に考えながらメモを取ったほうが議事録の作成がスムーズに進む場合もあります。

議事録は自分のためだけのものではなく、上司を含む多くの人と情報共有する目的で作られるものであることを意識するのが大切です。箇条書きに限らず、どのようにまとめれば読みやすくなるかを工夫しながら書き方を考えるとよいでしょう。

3.議事録の内容のまとめ方

議事録は会議が終わってから24時間以内に共有できる状態になっているのが理想です。会議で決めたネクストアクションを共有する際に、議事録は役立ちます。しかし、議事録がなかなか上がってこない状況では、次に動くべき内容をしかるべきメンバーに伝えるのが難しくなります。記憶頼りで指示出しをする場合、指示内容に齟齬が生まれる可能性もあるので、なるべく早めに議事録をまとめ始めるのが大切です。

加えて、時間が経てば議事録に抜け漏れが発生する可能性が高くなります。会議のメモを取り終えたら、記憶が鮮明なうちに清書して内容をまとめることで、内容の精度アップにつながるでしょう。

以下では、議事録のまとめ方のコツとして、代表的なフレームワークを2つ紹介します。

3-1.PREP法

PREP(プレップ)法とは、Point(要点)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(要点)の頭文字を取った手法です。最初に結論や主張といった要点を伝え、次にその理由を説明し、理由の根拠となる事例やデータを提示した上で、最後にもう一度要点を述べるという伝え方になります。

PREP法の最大のメリットは、読み手の負担が減ることです。PREP法を使った文書は結論から始まり、何を伝えたいのかが最初に明確になるため、以下に続く内容が頭に入ってきやすくなります。反対に理由の説明から入ってしまうと、読み手は何の説明なのかを考えながら読まなければならず、ストレスを感じる可能性が高いので避けてください。

PREP法は応用しやすく、上司への報告や部下への指導、プレゼンテーションなどさまざまなシーンで活用できるため、押さえておくとよいでしょう。

3-2.空・雨・傘

空・雨・傘とは、課題解決のためのフレームワークの一種です。「空が曇っている」という事実から「雨が降りそうだ」と推測し、「傘を持っていこう」という結論を導き出すように、事実を元に論理的な判断をするのに用います。

空・雨・傘は、用語自体を知らなくても無意識に使っている人が多い思考方法です。しかし、空・雨・傘を意識して活用することで、より分かりやすい議事録の作成が可能になります。議事録において、空にあたるのは売り上げの数字や計画の進捗状況といった客観的な事実です。事実からどのような状況が見込まれるかという推測が雨、推測に基づいて今後何をすべきかという判断が傘にあたります。

空・雨・傘の考え方を議事録に取り入れると、課題解決の方向性が明確に理解しやすくなるのが大きなメリットです。

4.議事録の取り方の具体例

以下で、議事録の具体的な例文を紹介します。

会議名:新サービスAの販促会議

日時:2024年10月25日

開催場所:本社 第1会議室

会議参加者:営業部 増田部長、田中主任、小川、西岡

議題:新サービスAの販促計画の件


決定事項:

  • SNSやテレビCMなど、複数の媒体で宣伝広告を打つ
  • 新規入会キャンペーンを実施する

保留事項:

  • 次回会議までに、広告宣伝に用いるSNSの選定を行う
  • 次回会議時に、新規入会キャンペーンの内容および実施期間を検討する

アクションプラン:

  • ○月○日 宣伝開始
  • ○月×日 新サービスAをリリース、新規入会キャンペーン開始

次回会議の予定:△月△日もしくは×日(決定次第連絡)

上記はあくまで一例であり、会議の内容やボリュームによって記載すべき項目は変わってきます。議事録を毎回1から作成すると時間や手間がかかるので、あらかじめ以下のようなテンプレートやフォーマットを用意しておくのがおすすめです。

会議名:

日時:XXXX年YY月ZZ日

開催場所:

会議参加者:部 ●●

議題:~~~~~~~の件


決定事項:

保留事項:

アクションプラン:

  •  月 日
  •  月 日

次回会議の予定: 月 日

会社や部署で使用しているテンプレートがないか確認しておくとよいでしょう。

議事録のテンプレートは自分で作成する方法のほか、WEB上で配布されているものをダウンロードして使う方法もあります。議事録のテンプレートにはさまざまな種類があるため、会議の目的に合ったものを選び、必要に応じてカスタマイズしながら活用してください。

まとめ

分かりやすい議事録を作成するためには、事前にテンプレートを準備しておくのが重要です。事前に議事録に必要な事項や、会議で重要になりそうなトピックを記載しておくことで、会議のスピードに遅れずに正確なメモが取れるでしょう。特に、会議の5W2Hについては事前に把握できそうな部分を調べておくのがおすすめです。

基本的に議事録は24時間以内に会議参加者に共有できるのが理想なので、読みやすさや分かりやすさといった質だけでなく、スピードを両立する必要があります。PREP法や空・雨・傘といった論展開のフレームワークは、素早く要点をまとめながら伝わりやすい議事録を作るのに役立ちます。

会議ラボ編集部

会議ラボのメンバーが執筆をしています。
会議の見直しを検討している全ての方へ最新情報やノウハウなどをお届けします。