大注目!「ファシリテーション」が会議効率化のカギ
昨今、社会全体的に「会議を効率化させていこう!」という風潮が強まってきています。そんな中「ファシリテーション」が注目を集めていることをご存じでしょうか。
ファシリテーションって何?聞いたことはあるけどよく分からない…。実は、会議を成功させるために欠かせないものなのです。
今回は会議における「ファシリテーション」とは一体どんなものなのか、一緒に詳しく学んでいきましょう。
1.ファシリテーションとファシリテーター
ファシリテーションは、ものごとを円滑に進め、促進するという意味を持つ言葉です、会議などの集団活動を円滑に進めるため、段取り・進行・支援を行います。このファシリテーションを担う人をファシリテーターと呼ぶのですが、ファシリテーターは会議をスムーズに進めるために非常に重要なポジションです。
ファシリテーターには、以下のような役割があります。
- 会議の参加者全員が意見を出しやすいよう、環境を整える
- 議論を整理し、ペース配分に注意しながら会議を進める
- 中立な立場から、会議のゴールに向かって舵を取っていく
実際に会議を開催すると、進行について色々とお悩みが出てくると思います。中でも、発言が少なく議論が進まない、特定の人ばかり意見を出している、決定したいことが決まらないなど、このあたりは本当によくあることですよね。ファシリテーションスキルを身に着けた司会・進行役を置くことこそが、そんな会議の困りごとを解決し、効率化のカギになります。
2.ファシリテーションには4つのスキルが必要!
関係者を集め会議をしても、報告会と言いつつ「資料を読み上げるだけ」、議論をしようと思っても「発言する人が決まっていて、黙っているだけの人が多い」という状況は決してめずらしくありません。そのような会議は、業務遂行にあたって効率的だとは言えないでしょう。やはり、有意義な会議にするためにも、ファシリテーターの力が必要です。
最近では会議がオンラインで開催されることもありますが、ファシリテーターに求められるスキルは基本的に変わりません。会議をスムーズに進め、充実した時間にするために必要な4つのスキルについて説明していきます。
【ファシリテーションスキル1】場のデザインスキル
ファシリテーターを務める場合、まず会議の目的を明確にし、事前準備を行うことから始めます。何についての会議なのか議題をはっきりさせ、ゴールに向けたアジェンダを作成しましょう。参加者全員に事前共有することで、それぞれ会議に向けた準備ができますし、議題に関わる当事者としての意識を持ってもらうことが目的です。会議という場の雰囲気を作り上げるスキルが求められます。
ファシリテーターは単純に司会者として存在するわけではなく、議論を円滑に進め、ゴールに向けてサポートする役割です。自らが誰より会議の目的を理解し、会議資料や会議室の準備を行うと共に、会議の目的や議題を参加者に共有しましょう。
【ファシリテーションスキル2】コミュニケーションスキル
ファシリテーションを行う一番の目的は、議論を効率よく行うことで、参加者全員が納得できる結果を出すことにあります。そのため、そもそも参加者が発言しやすい環境を作る必要があるのです。
特に若手社員や新人社員は、他の参加者への遠慮もあり、本音が言いにくい立場にいます。ファシリテーターはそこも考慮し、中立的な立場から、参加者が安心して発言できる雰囲気作りを行いましょう。
たとえば、全員が発言しやすいよう順番に意見を聞くスタイルで進めたり、否定的な発言があった場合にはフォローするスキルも必要です。
【ファシリテーションスキル3】論点を絞り込むスキル
ファシリテーターには、議論の内容を整理してまとめ、最終的な論点を絞り込むスキルも求められます。会議で参加者が発言しやすい雰囲気を作ると、結果的にさまざまな性質の意見が挙がることになりますよね。そのままでは「何がゴールに必要なのか」が分かりにくいので、表やチャートを上手く活用し、意見を構造化することが大切です。目に見える形に落とし込めれば、参加者での共有も楽ですし、会議参加者以外にも伝わりやすくなるでしょう。
また、会議中話が逸れてしまった場合は、本筋に話を戻すのもファシリテーターの役割です。
【ファシリテーションスキル4】合意形成スキル
会議が進み議論の方向性が見えてきたら、いよいよゴールとして参加者の合意形成を図ります。もちろん対立意見が出ることもありますが、どの意見がより目的に適しているかを中立的に考え相手に伝えることで、結論に導きましょう。
その他、以下もファシリテーターが合意形成の一環として行いたい作業です。
- 次回会議の議題を決める
- 今後のアクションについて「誰が・いつまでに・何をするのか」を明確にする
- 各メンバーのアクションについて、認識を一致させる など
会議を進め、雰囲気作りをするだけはなく、会議を終結させることもファシリテーターの役割であることを意識したいですね。会議は何かを決めるために開催する場合が多いため、合意形成はとても重要なファシリテーションスキルだと言えます。
まとめ
会議を円滑に進めるために役立つ「ファシリテーション」。会議の最中だけではなく、事前の準備からやっておきたいことが多くあります。今回のように必要なスキルを並べていくと、非常に重たい役割だと感じるかも知れません。
しかし、会議は参加者全員で進めるものですから、決してファシリテーターが全てを準備し、進め、決定し共有しなければいけない、というわけではないのです。ファシリテーションはあくまでも充実した業務を行うための「サポート」であることを忘れず、参加者に協力してもらいながら、一緒に会議の効率化を目指していきましょう。