会議ラボ
会議とは
2022.12.03

仕事の効率化やコミュニケーション手段として、対面会議とWEB会議がよく使われています。しかし、どちらの方法がより適切かは場合によって異なります。
本記事では、情報共有やプレゼンテーションが目的の会議やディスカッションや意思決定が目的の会議、参加者の地理的な位置や移動の負担、参加者の技術的なスキルや環境などの観点から、対面会議とWEB会議を適切に選択する方法を解説します。

1.対面会議とWEB会議の違い

1-1. 対面会議のメリット・デメリット

対面会議には、以下のようなメリット・デメリットがあるとされています。

<メリット>
・直接会うことで顔の表情やジェスチャー、音声のニュアンスなど、より多くの情報を得ることができ、コミュニケーションの質が高まります。
・会議中に思わぬアイデアが湧いた場合、直接相手にアイデアを提案することができ、即座に意見交換ができます。
・表情や身振り手振りなどを使って、意見の強調や共感などを表現することができます。

<デメリット>
・参加者が全国各地から集まる場合、交通費や宿泊費がかかります。
・会場を予約するために時間がかかります。
・会議の準備や後処理なども時間がかかるため、生産性が低下することもあります。

1-2. WEB会議のメリット・デメリット

WEB会議には、以下のようなメリット・デメリットがあるとされています。

<メリット>
・場所を選ばずに参加できるため、時間やコストの削減ができます。
Webexの調査によると、オンライン会議の平均所要時間は対面会議よりも25%短く、交通や移動時間のストレスを軽減できるとされています。

・リモートワークを含めた柔軟な働き方が可能になります。
米国務省の調査によると、テレビデオ会議によるコスト削減効果は対面会議の約90%と報告されています。

・遠隔地や海外とも容易にコミュニケーションができます。
リモートワークの需要が高まる中、Webexの調査によると、オンライン会議で働く場所が柔軟になることで、従業員の生産性と満足度が向上すると報告されている。

<デメリット>
・技術的な問題や環境の制約によるストレスや集中力の低下
例えば、インターネット接続の不良や音声の遅延・途切れなどが発生した場合、参加者のストレスや集中力が低下することがあります。また、家庭内やオフィスの環境によっては、騒音やその他の妨害要因が発生することもあります。

・コミュニケーションの鈍さ
対面会議のような非言語コミュニケーションが難しいため、意思疎通がスムーズにいかないことがあります。また、技術的な問題や集中力の低下によって、参加者が話を聞いていない場合があるため、誤解や聞き漏らしが生じることがあります。

・参加者のアイデンティティの確認が難しい
顔が見えないWEB会議では、参加者のアイデンティティが確認しにくく、セキュリティ上の問題が生じることがあります。

2.対面会議とWEB会議の適切な選択方法

2-1. 情報共有やプレゼンテーションが目的の会議

情報共有やプレゼンテーションが主な目的であれば、WEB会議よりも対面会議が適しています。
情報共有やプレゼンテーションには、ビジュアルや音響効果が重要な役割を果たしますが、WEB会議の場合、ネットワークの遅延や音声の途切れなど、テクニカルな問題が発生する可能性があります。また、プレゼンターが画面上でポイントを指し示すことは、対面会議よりも難しいとされています。
一方、対面会議の場合は、直接的に参加者とコミュニケーションをとりながら、視覚的な情報や音響効果を提供することができます。特に、重要なプレゼンテーションや大規模な会議の場合、対面会議であることによって、より高い品質の情報共有が可能になります。

2-2. ディスカッションや意思決定が目的の会議

ディスカッションや意思決定が必要な会議では、対面会議がより適切な場合があります。ただし、参加者が地理的に離れている場合や緊急性の高い場合はWEB会議を利用することも検討すべきです。
ディスカッションや意思決定が必要な会議では、リアルタイムでのコミュニケーションや非言語コミュニケーションが重要となる場合があります。対面会議では、参加者が目の前にいるため、表情やジェスチャー、発言のタイミングなど、リアルタイムでのコミュニケーションが取りやすく、より円滑な意思決定が可能となります。
また、ディスカッションにおいては、多くの参加者が同時に発言しようとする場合があるため、音声の遅延やノイズがあるWEB会議だと、コミュニケーションが困難になる場合があります。
一方、会議の緊急性が高く、参加者が地理的に離れている場合や、参加者のスケジュールの都合で対面会議が実現しない場合は、WEB会議を利用することが適切な場合があります。WEB会議でも、画面共有やチャット機能を活用することで、円滑な意思決定が可能となる場合があります。

2-3. 参加者の地理的な位置や移動の負担

参加者の地理的な位置や移動の負担が大きい場合は、WEB会議を選択することが適切です。
参加者の地理的な位置や移動の負担によって、対面会議に参加することが困難な場合があります。例えば、国内外に拠点を持つ企業の社員が集まる場合や、天候の影響によって移動が困難な場合などが挙げられます。また、交通手段によっては時間や費用がかかり、参加者の負担が大きくなることもあります。
COVID-19の流行に伴い、多くの企業がWEB会議を利用するようになりました。これにより、企業の規模や地域に関係なく、参加者が安全かつスムーズに会議に参加できるようになりました。
WEB会議を利用することで、移動時間や費用の削減につながり、効率的な会議が実現できます。

2-4. 参加者の技術的なスキルや環境

会議参加者の技術的なスキルや環境が均等であり、かつ高度な技術が必要でない場合はWEB会議を利用し、技術的なスキルや環境が不均等であり、かつ高度な技術が必要な場合は対面会議を利用することが適切です。
会議においては、参加者全員が円滑に会議に参加できることが重要です。ある調査によると、2020年には、日本においては約90%の企業がWEB会議を導入しており、その利用率が急速に増加していることが報告されています。
一方、参加者の技術的なスキルや環境が不均等であり、かつ高度な技術が必要な場合は対面会議を利用することが適切です。これは、例えば大きなプレゼンテーションを行う場合や、高度な技術を用いてデータ解析を行う場合などが挙げられます。また、対面会議では直接会話ができることから、より深い理解を促進することができます。

まとめ

会議の目的や参加者の条件に応じて、対面会議とWEB会議のどちらが適切かを選択することが重要です。情報共有やプレゼンテーションが主目的の場合は、WEB会議での開催が有効であることが多く、ディスカッションや意思決定が目的の場合は、対面会議が優れています。
また、参加者の地理的な位置や移動の負担が大きい場合にはWEB会議を利用することが、参加者の技術的なスキルや環境に問題がある場合には対面会議を利用するようにしましょう。

会議ラボ編集部

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