会議ラボ
会議とは初めての方向けの記事
2024.09.27
会議で議事録を上手に作成する方法とは?メモやまとめのコツを解説

会議の議事録は、後で会議を振り返ったり、言った言わないを防いだりするために重要です。決定事項やタスクを整理し、責任を明確にするためには議事録が欠かせません。しかし、議事録作成に不慣れな場合、何を記録すべきか、どうまとめるべきかが分からず悩むことも多いでしょう。

この記事では、議事録作成の目的や事前準備の方法、メモを取る際のコツ、会議後に効率的に議事録をまとめる方法について解説します。議事録を通じて業務の効率化やトラブル防止に役立てたい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

1.会議で議事録を取る目的とは

議事録とは、会議の備忘録として作成・保管する記録書類のことです。議事録は、主に会議欠席者に決定事項や議論内容を伝達し、情報共有する目的で作られます。また、会議の議事録は以下のような点でも重要です。

  • 責任の所在の明確化
  • タスクの整理とリマインド
  • 議論内容の把握資料

議事録に決定事項や議論内容を明記し、関係者に情報共有すれば、責任の所在を明確化できます。議事録によって責任の所在を明確化することは、「言った」「言わない」が曖昧になることで発生する事後のトラブルを回避するためにも重要です。

会議の場では、「誰がいつまでに何を担当するか」といったタスクを決定することも少なくありません。議事録に内容を整理し、会議参加者にも共有すれば、タスクのリマインドが可能です。

1-1.議事録の作成方法2種類

議事録の代表的な作成方法には、会話形式・要約形式の2種類が存在します。

会話形式 会話内容を時系列に沿って記載する形式
要約形式 会話内容を要約し、重要事項や決定事項を主に記載する形式

会話形式の議事録には、議論の流れや場の雰囲気を伝えやすいメリットがあります。ただし、会話形式の議事録を採用すると、情報共有する際に重要事項を伝えにくくなる点がデメリットです。要約形式は会議終了後に要点を効率よく情報共有しやすい反面、作成者には一定の言語能力や編集能力が要求されます。

2種類の作成方法にはそれぞれメリットとデメリットがあり、異なる特徴を持つことから、会議内容や目的に応じて使い分けるとよいでしょう。

1-2.議事録に必要となる要素

議事録の必須項目は以下の通りです。

  • 会議名
  • 日時
  • 開催場所
  • 会議参加者
  • 議題

また、以下のような項目を補助的に追加するのが一般的です。

  • 議事録の作成日、作成者
  • 欠席者
  • 決定事項
  • 保留事項
  • アクションプラン
  • 次回会議の予定

会議の場で当日配布された資料はコピーして、議事録に添付します。添付する資料が複数ある場合には「資料1」「資料2」のように、ナンバリングしておきましょう。

2.議事録を書く前にするべき事前準備

作成する議事録の質は、入念な事前準備を行うことで向上を図れます。質の高い議事録をスムーズに作成するためには以下のポイントを意識して事前準備に取り組み、会議に参加することがおすすめです。

・会議のアジェンダを把握する

アジェンダとは、会議の目的や議論の焦点を記載して、会議参加者へ事前配布する書類です。アジェンダを把握して会議に臨むと内容を理解しやすくなり、要点を押さえたメモを作成できます。

・過去の議事録に目を通しておく

過去の議事録は事前にチェックし、自分が作成する際の参考資料として活用します。議事録をチェックする際には、言葉の表記やフォーマットに関する社内ルールの有無も確認しましょう。

・事前にフォーマットに落とし込む

会話形式・要約形式のいずれで議事録を作成するかを確認し、会議の前にフォーマットを用意しましょう。フォーマットに沿って議事録を作成すれば、必要な情報の抜け漏れを回避できます。作成したフォーマットをテンプレートとして保存すれば、次回以降の会議で流用も可能です。

3.議事録のために会議中にメモを取るコツ

議事録を正しく作成するためには会議中にメモを取り、要点を記録する必要があります。自身のスキルアップにつなげるためにも、会議中にメモを取る際のコツを確認しておきましょう。

3-1.全発言ではなく要点をメモに残す

会議参加者の全発言の記録を目指すと、議論の速度に追いつきません。事前に確認したアジェンダに沿って情報を取捨選択し、要点のみを記録しましょう。会議の決定事項や重要事項が複数ある場合には、箇条書きで記載する方法もおすすめです。

ただし、実際の会議では座る場所や機材の不具合が影響し、会話を聞き取りにくくなる状況も発生します。聞き取りできない部分は分かる範囲で記録した上で、聞き取りづらかったところに印をつけておき、議事録の作成前にほかの参加者へ確認すると安心です。

3-2.記号や略語を使う

素早くメモを取るためにも、記号や略語を積極的に活用しましょう。たとえば、決定事項を「決」・担当者を「担」・期限を「〆」などと記載すると、効率的にメモを取れます。

メモは自分のみが使用する備忘録にあたることから、発言者の名前・役職・サービス名を正確に記録する必要はありません。部長は「部」と記載して丸で囲む、のように自身が理解しやすいルールを決め、必要な情報を漏れなく記録してください。

3-3.主要な数字やキーワードを漏らさない

売り上げ目標や商談日時などの主要な数字は聞き漏らさず、正確にメモを取る必要があります。重要度の高いキーワードや議論のポイントについても、同様です。

主要な数字やキーワードを聞き漏らすミスが多い場合は、ICレコーダーやスマホの音声録音アプリを活用する方法もあります。録音データをもとに議事録を作成すれば、正確な情報を記載できます。

ただし、会議を録音する際にはビジネスマナーとして、事前に周囲の了承を得ることが必要です。録音データには機密情報や個人情報が含まれている可能性も高いことから、適切に管理して、必要な用途のみに利用しましょう。

4.会議後に議事録をまとめるコツ

議事録作成を初めて担当する人はまとめ方が分からず、悩むケースも少なくはありません。以下では、会議中のメモをもとに議事録をまとめる際のコツや注意を要するポイントを紹介します。

4-1.フレームワークを活用して要点をまとめる

議事録は、会議中のメモの要点を抜き出し、簡潔にまとめる必要があります。簡潔かつ論理的に要点をまとめるために、以下のようなフレームワークを活用するのもよいやり方です。

・PREP法

「結論(Point)・理由(Reason)・具体例(Example)・結論(Point)」の順番で文章を構成し、読む人のスムーズな理解を促す手法です。話の最初と最後で2回結論を伝えるため、会議の要点を印象付けられます。

・空・雨・傘

「事実・解釈・行動」の順番でストーリーを構成し、議論の流れや結論に到った経緯を明確に伝える手法です。会議中に論理が飛躍したり、事実と解釈を混ぜて考えたりして意思決定を誤っていないか、議事録をチェックして判断しやすくなります。

・5W2H

「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように・いくらで」の要素を盛り込み、論理的な文章を構成する手法です。事実関係の要点を押さえつつ、情報の抜け漏れを防ぎやすくなります。

フレームワークを活用する際も、不要な情報はできる限り削除して、要点のみを記載しましょう。

4-2.24時間以内に作成・共有する

自身の記憶が薄れる前に議事録を作成すれば作業が効率的にでき、抜け漏れも防ぎやすいため、会議後は極力早く議事録の作成に取り掛かり、24時間以内に共有しましょう。

よりスムーズに議事録を作成するためにも、会議名・日時・開催場所・会議参加者などの必要項目は事前にテンプレートへ記載しておくのがおすすめです。会議の終了後は当日の変更点を確認し、事前に記載した点と異なる部分を修正すればスピーディーに作成できます。

4-3.全体に共有する前に上司や先輩からフィードバックをもらう

議事録は、全体に共有する前に上司の確認を受け、フィードバックをもらうことが基本です。議事録を初めて作成する際には上司へ提出する前に、先輩のフィードバックをもらうこともよいでしょう。

サポートを依頼できる先輩がいない場合には作成した議事録を印刷し、小さく声に出しながら内容を読み上げるのが間違いの発見に効果的です。読んだ際に違和感があった部分は修正し、ブラッシュアップした上で、上司の確認を受けましょう。

まとめ

議事録の作成方法には会話形式・要約形式の2種類がありますが、どちらの形式を選ぶ場合でも、事前準備をした上で会議中に適切にメモを取る必要があります。メモを取る際には要点に絞り、記号や略語を活用して端的に内容をまとめましょう。ただし、主要な数字やキーワードについては正確に記録するのが大切です。

また、会議が終わったなら記憶が薄れないうちに24時間以内に議事録の作成に取り掛かってください。PREP法や5W2Hなどのフレームワークを活用し、シンプルで分かりやすい構成を心がければ、分かりやすい議事録に仕上がります。

会議ラボ編集部

会議ラボのメンバーが執筆をしています。
会議の見直しを検討している全ての方へ最新情報やノウハウなどをお届けします。